藤山一郎さんが南方慰問で体験したのは、戦地でのステージだけではありませんでした。
マカッサルでの活動中には、搭乗していた飛行機が不時着するという緊迫した出来事にも遭遇しています。
一方で、現地では日本とはまったく異なる熱帯の風景や暮らしにも触れました。
なかでも藤山さんの記憶に残ったのが、南方の大地を彩る真紅の「火焔樹の花」です。
戦時下の南方で、藤山さんは何を見て、何を感じていたのでしょうか。
藤山一郎は南方で飛行機の不時着を経験した!
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藤山一郎さんが南方慰問で訪れたマカッサルでは、慰問や音楽活動のために飛行機を利用する機会もありました。
ところが、ある飛行中に思いもよらない事態が起こります。
機体のエンジンに異常が発生し、「ブルブル、ブルブル!」と機体が大きく揺れ始めたのです。
機内には藤山さんのほか、海軍関係者らが乗っていました。
異変を感じた一行は緊張に包まれます。
そして、パイロットから不時着することが伝えられました。
高度を下げながら、眼下に見えてきたのは深々としたジャングルです。
藤山さんは、機体がどこへ降りるのか分からない状況に置かれました。
やがて機体は海岸近くへ降下し、幸いにも乗員たちは大きな負傷をすることなく不時着を乗り切りました。
慰問のために南方へ渡った藤山さんにとって、この出来事は、戦時下の移動がいかに危険と隣り合わせだったかを実感させる体験だったといえます。
藤山一郎は不時着の瞬間に何を思った?
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不時着を前にした機内では、乗員それぞれが緊張しながら状況を見守っていました。
藤山さん自身も、「不時着します!」という緊迫した状況のなかで、パイロットの判断に身を委ねるしかありませんでした。
しかも、眼下に広がるのはジャングルです。
通常の空港に着陸できる状況ではありません。
機体が大きく揺れるなか、藤山さんは後方へ移動するよう指示を受けました。
そして、ついに機体は地上へと降りました。
不時着後、藤山さんたちは無事を確認しながら、現地で慰問活動を続けます。
危険な経験をしたからといって、慰問の使命を中断するわけにはいかなかったのです。
戦争という特殊な時代に、歌手が歌を届けるために南方へ赴く――。
その旅には、戦場の舞台の裏側で、このような命の危険を伴う移動もありました。
藤山一郎が南方で出会った火焔樹の花とは?
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不時着のような緊迫した体験がある一方で、南方には藤山さんの心に残る美しい風景もありました。
その代表的なものが、真紅に咲く火焔樹(かえんじゅ)の花です。
火焔樹は熱帯地方で見られる樹木で、鮮やかな赤い花を咲かせます。
藤山さんの記憶には、この南国特有の花の姿が強く残っていました。
現地では、道路や街並み、ヤシの木など、日本とは大きく異なる景色が広がっていました。
太陽の光が強く、熱帯特有の植物が生い茂る環境は、藤山さんにとって非常に印象的だったのでしょう。
そして、そうした風景のなかで、真紅の火焔樹の花は、戦時下の南方で目にした鮮烈な自然の象徴ともいえる存在でした。
さらに慰問先では、藤山さんたちは現地の人々の前で歌を披露しています。
屋外や仮設の舞台など、必ずしも十分な設備が整った場所ばかりではありませんでした。
それでも、歌が始まれば人々が集まり、藤山さんの歌に耳を傾けました。
戦争の厳しい現実と、熱帯の美しい自然。
その両方を体験したことが、藤山一郎さんの南方慰問を語るうえで重要なポイントです。
まとめ
- 藤山一郎さんは南方慰問中、搭乗した飛行機のエンジン異常による不時着を経験しました。
- 不時着直前には機体が大きく揺れ、乗員は緊迫した状況に置かれました。
- 幸いにも、藤山さんたちは大きな負傷をすることなく不時着を乗り切りました。
- 南方では、戦争の危険だけでなく、熱帯特有の植物や風景にも触れました。
- なかでも鮮烈な印象を残したのが、真紅に咲く火焔樹の花でした。
- 南方慰問は、藤山さんにとって歌を届ける旅であると同時に、戦時下の危険と異国の自然を身をもって体験する旅でもあったのです。
▼前回の記事(第16弾)はこちら↓をご覧ください。
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