歌手として長年にわたり多くの人々を魅了した二葉あき子さん。
引退後は故郷・広島で穏やかな日々を過ごされていましたが、その中でも忘れられない出来事がありました。
今回は、カラオケ喫茶で偶然起きた思わず笑みがこぼれる「傑作の一言」と、歌に対する二葉さんの揺るぎない姿勢をご紹介します。
当時をご存じの方はもちろん、昭和歌謡ファンにもぜひ読んでいただきたい思い出話です。
二葉あき子さんの人柄と歌への誇りが伝わる、心温まるエピソードをお届けします。
二葉あき子に放たれた傑作の一言!カラオケ喫茶で起きた出来事とは?

二葉あき子さんが2003年に歌手を引退され、故郷・広島へ帰郷されてから、ご家族ぐるみで交流させていただく機会に恵まれました。
その中で、ご家族から「歌心を忘れないように」とのご希望を受け、外出のお手伝いとしてカラオケ喫茶へご一緒することがありました。
訪れたのは広島市内の比較的静かなカラオケ喫茶です。そこでは通信カラオケだけでなく、持ち込みのビデオテープによる映像カラオケも楽しめました。
そこで再生したのが、藤山一郎さんとのデュエット曲「春よいずこ」の映像カラオケでした。
若き日の二葉さんの写真が画面に映し出されると、その場に居合わせた年配のお客様が、二葉さんに向かってこう話しかけたのです。
「おばあちゃん。ほら、みてごらん、あれは二葉あき子だよ。」
もちろん、その方は目の前に座っている女性こそが本人であるとは思ってもいませんでした。
若き日の姿を見て懐かしさが込み上げ、自然に声を掛けられたのでしょう。
あまりにも絶妙な一言に、その場の空気は何とも言えない温かさに包まれました。
二葉あき子が見つめ続けた若き日の自分

その言葉に対して、二葉さんは何もおっしゃいませんでした。
ただ静かに、画面に映る若き日の自分を見つめ続けておられました。
私はお忍びでご案内していた立場でもあり、そのお客様へ「ご本人ですよ」と伝えることはありませんでした。
しかし、その光景は今でも鮮明に記憶に残っています。
当時はまだ、映像に映る若き日の二葉あき子さんを見ただけで名前が浮かぶ歌謡ファンが少なくありませんでした。
それだけ昭和歌謡が多くの人の心に深く刻まれていた証でもあります。
一人のお客様の何気ない一言によって、時代を超えて歌が愛され続けていることを改めて実感した瞬間でもありました。
二葉あき子が語った「そんなには歌えないわ」の真意とは?

別の日には、別のカラオケ店で「恋のアマリリス」の伴奏を流し、二葉さんにもご一緒に歌っていただこうとお誘いしたことがありました。
しかし返ってきたのは、穏やかな口調ながらも実に印象的なお言葉でした。
「私はいいわ。」
そこで私だけが歌唱すると、歌い終えた後に二葉さんは笑顔を交えながらこうおっしゃいました。
「そんなには(伴奏に合わせては)歌えないわ。」
この一言には、往年のトップ歌手ならではの矜持が込められていました。
当時のレコーディングやステージでは、歌い手に合わせてバンドがキーやテンポを調整することが当たり前でした。
つまり、決められた伴奏に合わせる現在のカラオケとは前提が異なっていたのです。
短い言葉の中にも、第一線で活躍された歌手としての経験と誇りが自然に表れており、その貫禄に改めて感銘を受けました。
人前で歌われることはありませんでしたが、ご自身の代表曲の伴奏を聴きながら外の空気を感じて過ごされた時間は、ご家族が願われていた「歌心を保つひととき」になったのではないかと思っています。
まとめ
- カラオケ喫茶で「おばあちゃん。あれは二葉あき子だよ」と声を掛けられる微笑ましい出来事がありました。
- 二葉さんは何も語らず、若き日の自分の姿を静かに見つめ続けていました。
- 「そんなには歌えないわ」という一言には、昭和を代表する歌手としての誇りが込められていました。
- 引退後も歌に触れる時間は、ご家族の願いでもあった「歌心」を支える大切な機会となっていました。
- 何気ない一場面の中に、二葉あき子さんの人柄と歌への深い愛情が今も鮮やかに息づいています。
前回の記事はこちら↓をご覧ください。


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